【完】キス、kiss…キス!
フォームも、陸上に詳しくない私から見ても分かるくらい綺麗。全てに無駄がない。長い脚がトラックのタータンを捉え、ナオちゃんを加速させる。


ナオちゃんがいち早く、銀色のバトンを次の走者に繋いで徐々に失速。


ナオちゃんの学校は、そのまま一位独走。ゴールの瞬間拍手と歓声が会場を支配した。


「流石尚志!相変わらず、綺麗な走り方するよなー。流石元陸上部」


早苗ちゃんが嬉しそうにトラックを見ている。やっぱり、ナオちゃんは陸上経験者なんだ。


チームメイトとハイタッチしているナオちゃんは、やっぱり爽やかな、年相応の16歳の男の子。


ナオちゃんは、今しかない煌めいた瞬間を必死で駆け抜けてるんだね。
< 260 / 318 >

この作品をシェア

pagetop