【完】キス、kiss…キス!
ナオちゃんと雑談しているうちに、早苗ちゃんはウォームアップを済ませて、再びプールサイドに出る。


ナオちゃんがファンクラブだと言っていた子達が、キャップとゴーグルを外した早苗ちゃんにキャーキャー騒いでいた。


早苗ちゃんは、その子達に向かって計算しつくされた笑顔で手を振ると、更にその黄色い声が響く。


「わー、流石早苗ちゃん。本物のアイドルみたいだー」


「いや、あいつは実際学園のアイドルだよ。CMの効果で更に人気だしさ」


待て待て。CM効果なら、ナオちゃんにも適応されませんか?


「ナオちゃんも、私に言わないだけでファンクラブとかあるんじゃないの?」


「んー、……ないって言ったら嘘になるけど、俺は姫さんだけにモテたいし、早苗みたいに愛想振り撒いてないよ」


う……出ました、可愛い発言。ナオちゃんにしても早苗ちゃんにしても、どうしてこんなにあざといのやら。
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