【完】キス、kiss…キス!
電光掲示場の、早苗ちゃんのチームの表示は『2』相手のチームが、少しだけ早かった。


「くぅぅ!残念!あとちょっとだったのに!」


ナオちゃんが、まるで自分が負けたように悔しがり、太股をグーでバシッと叩いた。


早苗ちゃんのチームと相手のチームとの差は、ほんの0.1秒もないくらい。


ホントに惜しかったから、プールサイドの彼等も悔しそうだし、私も悔しい。


しかし、凄い接戦だったこの決戦に、誰もが心を掴まれ、なかなか拍手が鳴り止まない。


早苗ちゃんを始め、すべての選手達は観客席に向かってお辞儀をしていた。


「なーんか、鳥肌立っちゃったよ」


「俺も。すっげーや」


やっぱりスポーツって凄いなって思う。そのがむしゃらな姿が、こうして誰をも感動させるんだから。
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