【完】キス、kiss…キス!
「もうっ!そんなに近いと目尻と眉間のシワがばれるって!」


その感覚にムズムズして、冗談混じりにナオちゃんに言うと、鏡越しのナオちゃんがふにゃあと笑う。


「いいよ、姫さんのならシワも大好き!」


……なんか、心中複雑なんですが。


シワのないナオちゃんのすべすべお肌が羨ましいです。シワ知らずですよね10代は!なんて、声に出さずやっかんでみる。


「あ!ねぇねぇ姫さん、いいものがあるんだよぉ!」


ナオちゃんが突然何かを思い出したらしく、私から離れていく。


背中にナオちゃんの温もりが少し残り、ふわふわして心地良い。


ナオちゃんはというと、手持ちのリュックをガサゴソと漁って何かを探してる模様。


……箱入りのコンドウさんがリュックからこんにちはしてますよ、ナオちゃんさん。


この、スケベ高校生めっ!なんて、若さ故の精力の象徴に、すっかり慣れた心の中のツッコミを入れてみたりして、見なかったことにしてあげる。
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