【完】キス、kiss…キス!
「ナオちゃん、コレ……!」


「言ったでしょ?姫さんが仕事の間バイトしてたって。それに、CMの出演料も残ってたし。……まあ、安物だけどさ。あと二年後まで、これで仮予約させてくれますか?」


星空よりもキラキラと輝くナオちゃんの真剣な瞳。そして、それと同じくらいに輝いた、私の左手の薬指にはめられた、シルバーのリング。


「こんなサプライズ、ズル過ぎるよぉ」


「もー、姫さんの泣き虫ぃ!俺より大人でしょ?」


こみ上げたものがもう止まらなくて、ついに大泣きし出した私の頭を撫でるナオちゃんの左手から感じる冷たく硬い感触。


ナオちゃんも同じリングをはめてるっていう事実で、まだまだこみ上げるものが治まりそうにない。
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