【完】キス、kiss…キス!
満天の空
私達は手を繋ぎ、しかも指と指が絡まった所謂ラブ繋ぎで街角を歩く。
周りにはどんな風に見えてるのだろう。
ナオちゃんは、ベビーフェイスなのに雰囲気が大人びているから、やっぱりどう見ても大学生なわけで。
私も若作りのおかげで、ギリ大学生に見えなくもない筈たから、大学生のカップルに見えちゃったりしてるのかな?
そうだったら、嬉しいなぁ。いつも感じてる年の差の壁が薄くなった気がして、なんだかいつも見ている景色が鮮やかに見える。
「姫さん、着いたよ」
ナオちゃんは、あのとびっきり可愛いふにゃあとした笑顔で言う。
そして、黒い二つ折りの財布から券を取り出し『はい』と渡し、更に顔をふにゃふにゃにした。
ナオちゃん、指長ぁ…。なんて、その綺麗な指先に少し、感動を覚える。