【完】キス、kiss…キス!
周りに人がいることも忘れて、私達の『好き』を供給する甘い口づけは続いた。


「……ん、ヤバイ、これ以上すると俺が持たなそう」


彼の熱が離れてもなお、唇に余韻が残って私をぽーっとさせる。


「ふふ……姫さん、可愛い。大好き」


コツンと額同士をぶつけて微笑むナオちゃんが、とても可愛くてだけど、なんだかとても色っぽく感じて、とてつもなく、愛おしい。


「私も、大好きだよ」


思いが溢れ、普段はなかなか言えないことを無意識に呟く。


そんな私にナオちゃんが照れ臭そうに笑ってダックスフントみたいな茶髪をポリポリとかきむしる。


「姫さんから、初めて好きって言ってもらえた。へへ」


だらしないくらいふにゃふにゃになったナオちゃんの顔はホントに嬉しそう。繋いだ手の力を強めて、しばらくふにゃふにゃの顔は手の力とは反対に、ゆるみっぱなしだった。
< 50 / 318 >

この作品をシェア

pagetop