【完】キス、kiss…キス!
「結局、あまりプラネタリウム見れなかったね。えへへ」
プラネタリウムの時間も終わり、私達は外へ出て、明るさの違いに目をしょぼしょぼさせる。
「ふふっ……でも、姫さんが可愛かったからいいんだ。プラネタリウムなんかより、そっちの方が俺には大事だもん!」
「何それ!何その発言!あざとい!」
ナオちゃんはスッゴク悪戯っぽい顔で私を見ながら『あざといってどういうこと?』なんて、小首を傾げてみせる。
んもう!絶対分かってるくせに!それでも、可愛いんだからズルいったらありゃしない。
「尚志ぃ!」
しかし、幸せムード一色の私達の背後から、再びアルトな女の子声が聞こえる。
「早苗、お疲れー」
「今日はもうバイト終わったから一緒帰っていい?良いでしょ?ねっ!」
早苗ちゃんはそう言って、何故か私の隣に来る。
私は、内心複雑過ぎて、どうリアクションをとっても良いものか悩んでしまう。
ナオちゃんの隣に並ばれたらまた嫉妬しちゃうかもだけど、だからって私の隣だともっと困ります。