【完】キス、kiss…キス!

俺のお姫様

高校生ってのも結構大変なもん。大人は今が一番キラキラしてて楽しい、なんて言うけど、自分達のその時代、忘れちゃったか棚に上げて言ってるだけでしょ?


俺達だって、色んな事情に毎日てんやわんや、大変なんですからね。


「尚志、今日合コン行く?」


「無理!俺塾だからパス!ゴメン!」


こんな調子で二日に一回遊ばずお勉強。期末が終わったら中間テスト、それが終わったと思ったら模試、抜き打ち小テスト。


大人は、毎日テストに追われることは無いでしょう?だから、高校生のことを楽しいだけで良いなって思うのはおかしいと思うんだ。


聖クリストファ学園って、緩そうでいて意外と偏差値高いし、毎日毎日気が抜けない。特に、とりとめ頭が良いわけじゃない俺はね。


そんなこんなで、塾がある時に俺が家に帰り着くのは夜9時を過ぎた頃。


単身赴任の父親と、それに着いて行った母親は九州で二人ラブラブ過ごしてるから、俺は淋しい一人暮らし。


一人暮らしが気楽で良いなんて思っていたのは最初の三日間くらいなもんで、今は淋しくて死んじゃううさぎの気持ちに共感出来るくらいには淋しい。
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