【完】キス、kiss…キス!
「ねぇねぇ姫さん?」


「へいっ!何でしょうか!?」


いやいや私、いくらテンパってるからって『へい』はないでしょっ!女子力低いよ!


慌てまくってる私に男の子はため息のち苦笑い。


「そっかぁ、俺のこと、覚えてないんだ?」


何てやっぱりあざとい可愛い表情で言って、私に近づく彼の顔。


可愛すぎるうえに図星を突かれてその顔を直視出来ない。


「いや……あの、あ、あはは。ごめんなさい」


ホントにもう、ばつが悪すぎて上手いことも言えないわけですが、そんな私に彼のあざと可愛い攻撃は止まらない。


「えー、ショックだなぁ……昨日は、あんなに激しかったのに」


ですよね、やっぱり、ワンナイトフィーバー一発ファイトしましたよね?


お酒の魔力は恐ろしい。


悪戯っぽく笑う男の子を見てキュンとしつつ、私は『お酒に呑まれる』ことの意味を初めて知ったのだった。
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