【完】キス、kiss…キス!
「何だよなぁ、結局ノロケかよぉ。最近尚志が連れないって女子達が煩いけど、マジで姫さんでいっぱいだよなぁ」


「当たり前でしょ、俺の頭の中の主成分、姫さんですから」


『はいはい』なんて生返事を返した早苗は、手を振ってきた女子に子猫ちゃんモードオンの笑顔で振り返している。


「ってか、俺は早苗程女の子に媚び売ってないもん」


「嘘だぁ。尚志の数々の武勇伝、今度姫さんに話しちゃうもんねー」


「止めてよ!またあざと可愛いって言われるじゃんか!」


今後も姫さんに会う気満々の早苗を制して残っただし巻き玉子を食べると、昨日の可愛い姫さんを思い出して美味しさが倍増する。


「うわ、思い出し笑い。スケベェ」


「うざぁ。早苗だって耳朶柔らかいからスケベのくせに!」


制されても弄くってくる早苗の耳朶をぎゅむぎゅむと触ると、『くすぐったいなぁ』と猫みたいに目を細めた。
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