【企】誘惑年下彼女

「…………恭、ちゃん?」


いつもなら元気いっぱいに電話に出る凛子。

でも、今日はいつものような元気がない。




『凛子…今日、いつもの場所で待ってる。

昨日のこと、どうしても謝りたいんだ。


だから絶対…来て欲しい』


凛子が黙り込む。

でもほんの少しあとに小さな声で



「分かった」


と、返事があった。



よかった。

これで、なんとかなる。


あとは…俺次第?


恥ずかしいとかの問題じゃない。

そんなことは分かってる。


でも、言えるか分からない。できるか分からない。




「別れるーって泣きじゃくる凛子」


さっきの哲の言葉が木霊する。



イヤだ。それだけは絶対イヤだ。

俺は凛子のことが好き。


だから別れたくなんてないんだ。



俺はギュッと携帯を握りしめ、青く広い空に誓う。



今日こそはちゃんと言うんだ。

好き…って。