はんぶんお月様〜僕と小さい君の7日間〜
2日目

出会い

子ども達の笑い声が聞こえる。



「まさし!お前やれよ!」

「お前の番だぞ!」

「やれって言ってんだろ!」

ドスっと鈍い音。

「ははは!ば~か!」

「行こうぜ!」





すすり泣く声が聞こえる。





あれ?
僕は、今どこにいるんだろ。
ああ、そうだ。
昨日はめちゃくちゃ酔っぱらって。
んで、どうしたっけ。





とりあえず起きあがった。


ばさっ!!と音がする。




「うあ~~~~!!!!」


ん?僕は、桜の木の下で寝ていたらしい。
体の上には桜がたくさん積もってた。


僕の前には小さな子どもが立っていた。
ランドセルを背負ってる。


「・・・・・・モグラおばけ?」


おっと。

そうだよな。
このシチュエーションじゃ、
びっくりするわなぁ。

でも、面白いから、ちょっと
乗っかってみる。

「おう。そうだよ。よく分かったな。
何年に一回か、桜の木の下から出てくるんだよ。」

「本にはそうは書いてなかったけど・・・・、でもでも、
やっぱりいるんだ!!」

嬉しそうだ。



人が喜ぶって、なんて心地いいんだろう。
遠く離れて暮らす、年の離れた弟を思い出した。


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