紅狼王子





鶴の一声じゃないけど、その声に杏子の動きが静止した。


あたしの目の前に立つ男は、赤い髪をした男だった。


「お前ら出てろ」


そう言われて、杏子と男は静かに出て行った。


つまり、部屋にはあたしと赤い髪の男のみ。


「座れよ。話しよーぜ」


「あたし殺される?」


「は?」


ライバルの女だから、情報を聞いたら用がなくなって、処分される。


それはわかってる。
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