紅狼王子





「あいつは誰にでもそうやっていう。ここにもそうやって言われて愛みたいに何人もの女がやって来た!!みんな捨てられた女なんだよ?!」


静まり返った倉庫に響いたのは、杏子のすすり泣く声。


「あたしはっ・・・・・・愛が、傷つ、く・・・姿っ・・・み、たく、ないっ」


泣き崩れる杏子の肩をでかい男が支えた。


「オイ」


そう言って赤い髪の男は、あたしの頬を触った。


「お前のこと飼ってやるよ。」


なにいってんの、コイツ。


飼われるとかって何?


あたし、カズマの女だし。


「・・・・・・」
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