紅狼王子
放課後になると、校門に凄まじい音を立てて、二台のバイクが止まった。
「あれ狼じゃない?」
「アキラもいるし!!」
窓の外を見て驚く生徒。
あたしたちはお構いなしに、二人のところまで歩いた。
「キョウコはこっち乗れよ。」
アキラの発言にキョウコは「はいはい」と返事をしてまたがった。
「レイ、おいで」
ボーっとしながら眺めていると、キョウヘイに呼ばれた。
あたしは黙ってキョウヘイに近付いた。
「楽しかったか?」
「うん」
「今日は化粧してねぇじゃん」