紅狼王子





放課後になると、校門に凄まじい音を立てて、二台のバイクが止まった。


「あれ狼じゃない?」


「アキラもいるし!!」


窓の外を見て驚く生徒。


あたしたちはお構いなしに、二人のところまで歩いた。


「キョウコはこっち乗れよ。」


アキラの発言にキョウコは「はいはい」と返事をしてまたがった。


「レイ、おいで」


ボーっとしながら眺めていると、キョウヘイに呼ばれた。


あたしは黙ってキョウヘイに近付いた。


「楽しかったか?」


「うん」


「今日は化粧してねぇじゃん」
< 24 / 37 >

この作品をシェア

pagetop