シェイクとルシア~黒き銃を持つ二人~
突如廊下に点々と赤い血が付いている。その血はすぐ近くの教室に向かって残っていた。シェイクにとってこの教室で起きた出来事は今でも鮮明に覚えている。
「この教室は……犯人が体育館に向かう前に寄った教室です。そこでは一人の女子生徒に向かって犯人がわざと急所を狙わずに発砲していました」
その女子生徒が倒れていたであろう場所には塊になって残っている血の跡があった。そこに貼られてある新聞にもそのことが書かれてあった。撃たれた女子生徒は五発の弾を体に受けて倒れていた。四発は彼女の右脇腹。そしてもう一発は心臓と書かれてあった。
「あれ、でも新聞には最後の一発は心臓に撃たれてあると書かれてますよ?」
ルシアの発言にシェイクは驚いた顔をしていたが、それには誰も気づいていない。館長が一度だけシェイクを見て、話し始める。
「私はこの事件で生き残った生徒なのです。ここにはほとんど書かれていませんが、犯人を殺した生徒がこの女子生徒に五発目の銃弾を食らわせたのです」
ルシアがどうして?と悲痛な声でやるせなさを露わにする。
「……大方、彼女を楽に死なせようとしたんじゃないのか?どんな弾を食らわせたかは知らないが、脇腹に四発。これではすぐには死ねない。出血多量になってゆっくり、じわじわと殺そうとしたんだろう……」
シェイクの解説に館長が頷いた。
「その通りです。その女子生徒は助けに向かった彼に「自分を殺して欲しい」と言ってきたのです。彼はもちろんそのことを拒み、その女子生徒を助けようとしました。しかし、彼は女子生徒の体を持ち上げた瞬間にもう助からないことを悟ったそうです。彼はその場に彼女を下ろして彼女の希望通りに……」
「この教室は……犯人が体育館に向かう前に寄った教室です。そこでは一人の女子生徒に向かって犯人がわざと急所を狙わずに発砲していました」
その女子生徒が倒れていたであろう場所には塊になって残っている血の跡があった。そこに貼られてある新聞にもそのことが書かれてあった。撃たれた女子生徒は五発の弾を体に受けて倒れていた。四発は彼女の右脇腹。そしてもう一発は心臓と書かれてあった。
「あれ、でも新聞には最後の一発は心臓に撃たれてあると書かれてますよ?」
ルシアの発言にシェイクは驚いた顔をしていたが、それには誰も気づいていない。館長が一度だけシェイクを見て、話し始める。
「私はこの事件で生き残った生徒なのです。ここにはほとんど書かれていませんが、犯人を殺した生徒がこの女子生徒に五発目の銃弾を食らわせたのです」
ルシアがどうして?と悲痛な声でやるせなさを露わにする。
「……大方、彼女を楽に死なせようとしたんじゃないのか?どんな弾を食らわせたかは知らないが、脇腹に四発。これではすぐには死ねない。出血多量になってゆっくり、じわじわと殺そうとしたんだろう……」
シェイクの解説に館長が頷いた。
「その通りです。その女子生徒は助けに向かった彼に「自分を殺して欲しい」と言ってきたのです。彼はもちろんそのことを拒み、その女子生徒を助けようとしました。しかし、彼は女子生徒の体を持ち上げた瞬間にもう助からないことを悟ったそうです。彼はその場に彼女を下ろして彼女の希望通りに……」