シェイクとルシア~黒き銃を持つ二人~
2
ホテルにチェックイン後、二人は荷物を車から降ろし部屋に運ぶ。その間も二人は特に言葉を交わさなかった。
荷物の移動が完了して二人は一息つくが、二人の距離はいつも以上の距離がある。そしてお互いに目も合わせず時間が経過していく。ツインベッドの部屋がいつも以上に広く見えた。
この雰囲気に耐えられなくなったのは、シェイクの方だった。ベッドで座っていたシェイクが立ち上がりコーヒーを作る。
「ルシアも飲むか?」
ルシアはシェイクに背を向け返事をせずに頷くだけだった。シェイクがコーヒーを備え付けのカップに注ぐ音がやけに大きく聞こえた。
「ルシア、コーヒーここに置いておくよ」
シェイクは近くのテーブルにコーヒーを置く。隣にスティックの砂糖とミルクが二つずつ。彼女はそれでなくてはコーヒーが飲めない。旅を始めてからずっとそうだった。シェイクはブラックのまま飲むのがいつもだ。備え付けのソファーに腰掛けゆっくり飲む。
カップから半分ほどコーヒーがなくなった状態で一度カップを置く。どうしてもルシアが気になってしまったからだ。欲しいと言っておきならまだ一口も飲んでいない。それどころか砂糖もミルクも開けてすらいない。
「どうしたんだ?冷めるぞ?」
シェイクの言葉にも耳を傾けようとしない。シェイクは少し心配そうにルシアの近くに寄る。
「もしかして、体調が悪いのか?あんなもんを見たら――」
「シェイク。話を逸らさないで」
シェイクは驚いた。いつもは怒っていても何かしらの感情を伴って起こっていたが、今まで無感情に怒る彼女をシェイクは見た時が無かった。
「何を逸らすんだ?何も話をしていないだろ?」
「なんでシェイクはお父さんたちと会おうとしないの?」
シェイクは、それは。と言って口ごもる。
「会うのが怖いんでしょ?『自分のせいで両親にも彼女にも辛い目にあわせてしまった』からでしょ?」
荷物の移動が完了して二人は一息つくが、二人の距離はいつも以上の距離がある。そしてお互いに目も合わせず時間が経過していく。ツインベッドの部屋がいつも以上に広く見えた。
この雰囲気に耐えられなくなったのは、シェイクの方だった。ベッドで座っていたシェイクが立ち上がりコーヒーを作る。
「ルシアも飲むか?」
ルシアはシェイクに背を向け返事をせずに頷くだけだった。シェイクがコーヒーを備え付けのカップに注ぐ音がやけに大きく聞こえた。
「ルシア、コーヒーここに置いておくよ」
シェイクは近くのテーブルにコーヒーを置く。隣にスティックの砂糖とミルクが二つずつ。彼女はそれでなくてはコーヒーが飲めない。旅を始めてからずっとそうだった。シェイクはブラックのまま飲むのがいつもだ。備え付けのソファーに腰掛けゆっくり飲む。
カップから半分ほどコーヒーがなくなった状態で一度カップを置く。どうしてもルシアが気になってしまったからだ。欲しいと言っておきならまだ一口も飲んでいない。それどころか砂糖もミルクも開けてすらいない。
「どうしたんだ?冷めるぞ?」
シェイクの言葉にも耳を傾けようとしない。シェイクは少し心配そうにルシアの近くに寄る。
「もしかして、体調が悪いのか?あんなもんを見たら――」
「シェイク。話を逸らさないで」
シェイクは驚いた。いつもは怒っていても何かしらの感情を伴って起こっていたが、今まで無感情に怒る彼女をシェイクは見た時が無かった。
「何を逸らすんだ?何も話をしていないだろ?」
「なんでシェイクはお父さんたちと会おうとしないの?」
シェイクは、それは。と言って口ごもる。
「会うのが怖いんでしょ?『自分のせいで両親にも彼女にも辛い目にあわせてしまった』からでしょ?」