シェイクとルシア~黒き銃を持つ二人~
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「館長。お客様です」
館長室で館長と呼ばれた女性は書類に目を通しながら、通して。と一言。そこに通されたのは一人の少女――先程まで自分が案内していた二人の旅人の一人だった。彼女と館長と目が合うとお辞儀をした。
「あら。あなたはシェイクと一緒にいた……」
「ルシア……です」
館長は書類を机の上に置いてルシアに椅子に座るよう促す。館長もその対面に座った。
「こんな時間にどうしたの?シェイクとは……一緒じゃないようだけど?」
記念館はとっくに閉館しており、館長自身もこの書類に目を通し終わったら帰るところだった。職員もルシアを通したあと帰ってしまっている。
「シェイクはホテルにいます。私、抜け出してきました」
「そんなまた、どうして?いえ、言わなくても分かってるわ」
どうして抜けてきたか、それは自分とシェイクのやり取りを聞いていれば分かったはずだ。そして彼女から漏れた数々。おそらく彼はこの事件のことを彼女に話している。そうでなければこうしてこちらまで彼女が出向くわけないのだ。
「そうね……。その様子だとお夕食も食べてないわよね?これで終わりだから少し待っててね」
そう言うと館長はルシアの前にコーヒーを差し出した。綺麗な白磁のカップにコースター。砂糖とミルクは一つずつ置いてくれた。ルシアは一度館長を見、館長が笑顔で応えると、砂糖とミルクを入れ、少しずつだが飲み始める。
苦みに少し顔を歪めるがそれでも何も言わずに飲み続け、あっという間に飲み干した。
「あら?コーヒーはお好きなの?お代わりはいっぱいあるけど?」
館長の申し出を首を振って断った。館長はそれを見て再び書類に目を通し始める。
少しだけの時間がものすごく長く感じたことだろう。お互い何も話さないので、他の者がいればすぐに部屋から立ち去りたかったはずだ。
「お待たせ。ルシアちゃん」
作業が終わった館長はYシャツお第一ボタンをはずして結んでいた髪を下ろしている。その姿はルシアが見ても綺麗に見えた。
「館長。お客様です」
館長室で館長と呼ばれた女性は書類に目を通しながら、通して。と一言。そこに通されたのは一人の少女――先程まで自分が案内していた二人の旅人の一人だった。彼女と館長と目が合うとお辞儀をした。
「あら。あなたはシェイクと一緒にいた……」
「ルシア……です」
館長は書類を机の上に置いてルシアに椅子に座るよう促す。館長もその対面に座った。
「こんな時間にどうしたの?シェイクとは……一緒じゃないようだけど?」
記念館はとっくに閉館しており、館長自身もこの書類に目を通し終わったら帰るところだった。職員もルシアを通したあと帰ってしまっている。
「シェイクはホテルにいます。私、抜け出してきました」
「そんなまた、どうして?いえ、言わなくても分かってるわ」
どうして抜けてきたか、それは自分とシェイクのやり取りを聞いていれば分かったはずだ。そして彼女から漏れた数々。おそらく彼はこの事件のことを彼女に話している。そうでなければこうしてこちらまで彼女が出向くわけないのだ。
「そうね……。その様子だとお夕食も食べてないわよね?これで終わりだから少し待っててね」
そう言うと館長はルシアの前にコーヒーを差し出した。綺麗な白磁のカップにコースター。砂糖とミルクは一つずつ置いてくれた。ルシアは一度館長を見、館長が笑顔で応えると、砂糖とミルクを入れ、少しずつだが飲み始める。
苦みに少し顔を歪めるがそれでも何も言わずに飲み続け、あっという間に飲み干した。
「あら?コーヒーはお好きなの?お代わりはいっぱいあるけど?」
館長の申し出を首を振って断った。館長はそれを見て再び書類に目を通し始める。
少しだけの時間がものすごく長く感じたことだろう。お互い何も話さないので、他の者がいればすぐに部屋から立ち去りたかったはずだ。
「お待たせ。ルシアちゃん」
作業が終わった館長はYシャツお第一ボタンをはずして結んでいた髪を下ろしている。その姿はルシアが見ても綺麗に見えた。