シェイクとルシア~黒き銃を持つ二人~
数百はあろうという棚には全て何も入っていない。これだけの数があるのだから何も入っていないというのは不自然で不気味だ。
「ここは下駄箱だ。外の靴と中に入る靴を分けるためにある。建物の床が汚れないようにしてある」
そう言ってシェイクは適当に目についた場所に自分の靴を脱いで下駄箱の中に入れ、廊下を歩き始める。ルシアもシェイクを見失わないように急いで靴を脱いでシェイクに追い付く。
廊下も木で出来ており数十メートル先まである。しかし、これだけ広いにもかかわらず誰かがいるという感じはしない。手入れだけはされているのがこれも不自然としか言いようがない。
「シェイク……。ここシェイクの家じゃないよね?なんでこんなに誰もいないのに埃一つも落ちてないの?不自然すぎない?」
さすがのルシアも恐る恐る口を開いてシェイクにとの距離を縮める。腕までは掴んではいないが、伸ばせば届く距離まで近づいている。
「確かに。ここは不気味というほど人がいる感じはしない。でも手入れだけはきちんと行き届いているな。ここはもしかしたら何かの記念館かもしれないな」
「そのとおりでございます」
背後から突然、女性の声が聞こえてルシアは大声を上げてシェイクの腕を掴んで声のした方を向いた。
「あ、驚かせてすみません。私、ここの記念館の館長です」
女性は会釈をする。黒い髪を肩口で揃え後ろで一つに結んでいる。シェイクたちと同じくらいの年齢の女性だが、男物のスーツを華麗に着こなしている分年上に見えた。
「ここはどういう記念館ですか?」
館長が廊下を一度見渡し目線は少し下に下げて話し始めた。
「今から約三年半前。ここは学校でした。この学校で一人の不審者が生徒に向かって銃を乱射したのです。その不審者は間もなく射殺されましたが、犠牲になった数は二百を超えるこの国史上最悪の事件だったのです。この事件を永遠に忘れないようにと国はこの校舎を取り壊さずに記念館として保存しているのです」
「……」
「すごい悲惨な事件だったのですね……」
「ここは下駄箱だ。外の靴と中に入る靴を分けるためにある。建物の床が汚れないようにしてある」
そう言ってシェイクは適当に目についた場所に自分の靴を脱いで下駄箱の中に入れ、廊下を歩き始める。ルシアもシェイクを見失わないように急いで靴を脱いでシェイクに追い付く。
廊下も木で出来ており数十メートル先まである。しかし、これだけ広いにもかかわらず誰かがいるという感じはしない。手入れだけはされているのがこれも不自然としか言いようがない。
「シェイク……。ここシェイクの家じゃないよね?なんでこんなに誰もいないのに埃一つも落ちてないの?不自然すぎない?」
さすがのルシアも恐る恐る口を開いてシェイクにとの距離を縮める。腕までは掴んではいないが、伸ばせば届く距離まで近づいている。
「確かに。ここは不気味というほど人がいる感じはしない。でも手入れだけはきちんと行き届いているな。ここはもしかしたら何かの記念館かもしれないな」
「そのとおりでございます」
背後から突然、女性の声が聞こえてルシアは大声を上げてシェイクの腕を掴んで声のした方を向いた。
「あ、驚かせてすみません。私、ここの記念館の館長です」
女性は会釈をする。黒い髪を肩口で揃え後ろで一つに結んでいる。シェイクたちと同じくらいの年齢の女性だが、男物のスーツを華麗に着こなしている分年上に見えた。
「ここはどういう記念館ですか?」
館長が廊下を一度見渡し目線は少し下に下げて話し始めた。
「今から約三年半前。ここは学校でした。この学校で一人の不審者が生徒に向かって銃を乱射したのです。その不審者は間もなく射殺されましたが、犠牲になった数は二百を超えるこの国史上最悪の事件だったのです。この事件を永遠に忘れないようにと国はこの校舎を取り壊さずに記念館として保存しているのです」
「……」
「すごい悲惨な事件だったのですね……」