シェイクとルシア~黒き銃を持つ二人~
水が流れ続けている。洗面台で一人の少年が肩で息をしていた。顔色は青く、今にも倒れそうだった。
再び少年が体をかがめ、洗面台に向かって嗚咽を響かせる。水の音でかき消されたが先ほどよりも少年の顔が青い。
「くそ……。匂いも配置も全てあの頃のままだ……」
自分がここにいた頃と全て変わっていない。血の跡こそ消されているが、シェイクの目には血の跡もくっきりと見えてしまう。
「うっ!」
再びシェイクは嗚咽を漏らし、胃の中の物を吐き続ける。悪夢がシェイクの中でフラッシュバックする。目の前で倒れ動かなくなる生徒たち。おびただしい量の血と匂い。そして頭に響く悲鳴。全てがシェイクに襲い掛かってくる。
胃の中のものが全て出しつくしたのだろう。吐き気は止まったが気分は最悪だ。このまま車に戻って休むこともできる。しかし、
――――俺は何のために戻ってきたんだ?すべてを受け入れるためにここに戻ってきたんじゃないのか?
胃液を吐きながらもシェイクは自問自答を続ける。自分の十五の誕生日になった瞬間、シェイクは自分の生まれた国から出て行った。それは全てが自分の責任だと感じ、自分が立ていけば万事解決できると思っていた心の弱さ。その中には一種の傲慢さがあった。だから自分は様々な国を回って自分の見解の浅さ、矮小さが見えていたはずだった。しかし、今こうして立っている自分はどうだ。自分のしでかしてしまった重大事件を受け止めるどころか逃げ出してしまっているではないか。
所詮自分はまだまだ子供なのか。それともまだ責任をどこかに押しつけているのではないか。自分は最善を尽くした。だから悪くないと言い張っているのだろうか。
再び少年が体をかがめ、洗面台に向かって嗚咽を響かせる。水の音でかき消されたが先ほどよりも少年の顔が青い。
「くそ……。匂いも配置も全てあの頃のままだ……」
自分がここにいた頃と全て変わっていない。血の跡こそ消されているが、シェイクの目には血の跡もくっきりと見えてしまう。
「うっ!」
再びシェイクは嗚咽を漏らし、胃の中の物を吐き続ける。悪夢がシェイクの中でフラッシュバックする。目の前で倒れ動かなくなる生徒たち。おびただしい量の血と匂い。そして頭に響く悲鳴。全てがシェイクに襲い掛かってくる。
胃の中のものが全て出しつくしたのだろう。吐き気は止まったが気分は最悪だ。このまま車に戻って休むこともできる。しかし、
――――俺は何のために戻ってきたんだ?すべてを受け入れるためにここに戻ってきたんじゃないのか?
胃液を吐きながらもシェイクは自問自答を続ける。自分の十五の誕生日になった瞬間、シェイクは自分の生まれた国から出て行った。それは全てが自分の責任だと感じ、自分が立ていけば万事解決できると思っていた心の弱さ。その中には一種の傲慢さがあった。だから自分は様々な国を回って自分の見解の浅さ、矮小さが見えていたはずだった。しかし、今こうして立っている自分はどうだ。自分のしでかしてしまった重大事件を受け止めるどころか逃げ出してしまっているではないか。
所詮自分はまだまだ子供なのか。それともまだ責任をどこかに押しつけているのではないか。自分は最善を尽くした。だから悪くないと言い張っているのだろうか。