桜舞~ひらり~
直樹『ゴメンな、急に…』


その言葉に首を振って、
アタシ達は黙って歩き出した。


何を話すか決める前に会ってしまったから
アタシは必死に言葉を探していた。



すると、

直樹『コレ。』


ひらり『え?』


差し出されたモノは、1枚のCD。




直樹『これがあれば、ぐっすり眠れるだろ?』


ひらり『・・・』










直樹『借りたまんまだったし、
なんか心配だったから』



黙ったまま、アタシはそのCDを受け取った。




直樹『ひらりの大切なモノは、
ひらりのものだから。


俺は、大切に出来なかったから


・・・ゴメンな。』




寝付けない時、決まってかけてくれた
CharaのCD。

流れてくるラブソングと
直樹の腕の中が心地良くって
一度もラストトラックまで
聴けた事がなかった。
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