桜舞~ひらり~
「あれ?ひらりちゃん??」
「やっぱり!
そ・・・だよ・・・ね・・?」
泣きじゃくるアタシに気付き、
空気を読み始めた人。
「あ、ごめん・・・。」
ちゃんと呼吸も出来ないくらいのアタシは
脅えたように、その人を見た。
「大丈夫?どうした?」
そう言って、スゴク心配そうに、
優しく肩に手を添えくれた。
あのインテリ軍団の勝村次郎だった。
少し驚いたけれど、
それでもアタシはまだ泣いていた。
勝村「落ち着くまでいるから。」
ゆっくりと座れる所まで
アタシを誘導してゆく。
人通りの少ないガードレールに
腰かけたアタシ達。
勝村さんは何を話す訳でもなく、
ただ遠くを見つめているだけだった。