桜舞~ひらり~
この状況が不思議と安心した。
すぐ隣に誰かがいてくる事、
少しでも人の優しさに触れていられたから。
ひらり「・・・ごめんなさい。」
鼻にかかった声で、初めて言葉を発した。
勝村「ううん。」
「つか、ハンカチとか持ってなくて俺
…ゴメンね。」
ちょっとだけ笑って謝った。
ひらり「アタシも持ってないんです。」
勝村「ハハハ。だよね。」
ひらり「あの、ホントすみませんでした。
もう平気なんで。」
勝村「あ、でもさ、泣くと腹減らない?
だから、飯でも行こうよ!」
ひらり「え・・・でも。」
勝村「あ、イヤならイイんだけど(笑)」
ひらり「あ、そんなんじゃないんですけど」
勝村「じゃ~決まり!」
「俺、車なんだ」
そう言ってすぐ、腕を掴まれ、
足早に車まで向かった。