桜舞~ひらり~
勝村「実は、車が心配でさ~、
ひらりちゃん見つけて、
路駐したまんまだったから(笑)」



ひらり「あー!!ごめんなさい!!」



勝村「いやいや(笑)
持ってかれなくて良かったー!」



勝村「ささ、乗って!」



ひらり「ホント、すみません。。。」







車中で何度も謝ったけど、勝村さんは笑って
「俺もタイミング悪くてゴメンネ」って
申し訳なさそうに謝ってた。




途中、手に持っているCDを見て


勝村「それ、Chara?俺も好きなんだ」

って嬉しそうに言うから


ひらり「でも、眠くなりませんか?」 


って自分で地雷を踏んだ。



勝村「あー!わかる!!
だから運転中は聴かないかも(笑)

でも、ラブソングなんか最高だよね!!」



ひらり「そうーなんです!!」




相手が違うだけで、
このCDが会話を弾ませた。

アタシが手離せなかったモノは
CDじゃなくて直樹との思い出だった。

これをカバンにしまったら、
一緒に忘れてしまうから
いつまでも握りしめていた。


すぐに消えていってしまいそうで怖かった。
失いたくない大切なモノだった。




時折、窓の外に流れていく人の姿の中に
直樹がいないか探していた。




アタシはまだ、
サヨナラとは言いたくなかった…
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