桜舞～ひらり～

会場に着くなり、
アタシの目に飛び込んできた世界。


周りを見渡せば、
ＶＩＰ人と高級スーツばかり。

きっと社長とアタシだけが、
そこに馴染んでいなかった。




間もなくして、ショーが始まった。
ＢＬＡＣＫ　ＭＵＳＩＣが流れ、
スクリーンに写し出される数々のアート。


映像が展開していく度に、
大きな歓声と拍手。

今まで触れた事もないようなこの空間に
アタシはすぐに夢中になった。


照明の輝き、響き渡る音、光を放つ映像、
全てが、１つとなって、
そこには夢がたくさん詰まっていた。




その映像が終わると同時に、
勝村さんがデザインした
洋服を着たモデル達が歩き出す。

華やかな電飾に、
豪華な花で埋め尽くされていた。


初めて見るこのショーは、
きっと、後にも先にも
これほど感動するものには
出会えないとまで思った。






これだけのモノが創り出せる人だから
あの笑顔が、いつまでも
輝いて見えるのだろう。

夢を求めて、歩んでいる人だからこそ。


アタシの人生が、とても、ちっぽけに思えた。
いつでも誰かに頼って、相手のせいにして
自分だけを守ってきた。



アタシは何をしてきたのだろうと。。。