桜舞~ひらり~
ショーが終わってから
2時間は経っていた会場は
人がいないせいか随分広く感じた。
あんなに豪華だった、花のアレンジも、
なんだか申し訳なさそうに
飾られている様に見えた。
受付のフロアにも人の気配はなく
アタシはそのまま中へと入って行った。
そして、誰にも聞こえないくらいの声で
「失礼しまぁす…」
と、恐る恐る入口の扉を開け、
中を除くと、2・3個のライトが
点いていただけで誰も居なかった。
すぐに座っていた椅子の辺りを
必死で捜したけど、チラシが数枚
落ちているだけだった。
「あぁ・・・」
「なぁーーーーーーい!!」
期待が外れ、
見つけ出す事が少し面倒になり
イラつきもあって大きな声を出し
うなだれる様に座り込んだ。
「何がないの?」
ひらり 「!!!!!!」
ビクっとして肩を縮めた。
その声は以外と近くから聞こえて
アタシの心臓は動きを増す。
とっさに立ち上がり、
「ごめんなさい!」
と振り返りながら言った。
ひらり
「あの!携帯をなくし・・・・・・
「あっ!!!!」