桜舞~ひらり~
夢中になっている、その間に多くのモノを
振り落としていたんだと。
この恋を邪魔しないで、と必死だったんだ。

今のアタシに必要ないモノは、
ただ邪魔だった。



誰かを愛する事しか、
誇れる事がないと思っていた。

それだけが唯一の自信だったから。




“なんか重いんだ。”



暗闇の中でずっと響くその言葉。


ふと「なんか」の意味が
解った気がした時、

そっと目と閉じて、明日に強く願った。




“もう何も失いたくない”と。
< 3 / 30 >

この作品をシェア

pagetop