桜舞~ひらり~
『まぁ、旨いけどね。』


ちょっと困ったように笑った。




ひらり『美味しいものには、
愛情が詰まってますからね。』


ちょっと誇らしげに言ってみた。
アタシの言葉を受け入れるかのように、
今度は優しく笑った。



『ところで、名前覚えてくれた?』


言い終えてから、肘をつき、
少しだけ前かがみになって聞いてきた。




ひらり『えっと、村、村山さん?
…ゴメンナサイ。でも、オシイですよね??』


『アハハ。オシイっちゃオシイけど。』


『勝村。勝村次郎。』


ひらり『そうそう!!』


『調子イイなぁ~!!』


困ったように、照れながら笑いあった。



初めて会ったその人は、
アタシにたくさんの笑顔をくれた。


【勝村次郎】(32歳)
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