グラウンド･０

悠斗に見せる雑誌のページには、世界中に急速にある広がっている《生死病》について、記事が掲載されている。

玲香は、真剣な視線を悠斗に送り、

『それに、あなたは、あの如月博士の子供じゃないの?!…彼女が、もし、まだちゃんと生きていたら…、あっ!』

そこまで言うと、急に言葉を詰まらせ、話すのを止めた。

気まずい空気が流れ、悠斗の無表情であった顔が一瞬にしてこわばった。何事にも無関心な様子だったが、そんな雰囲気は既に見受けられない。

『…。なんで、母さん…あの人ことをあんたが知ってるんだ?!……それに、あのことを知ってるのは、あの研究所の人間だけのはずだ……』

急に態度を変え、悠斗はやや強い口調で、玲香に言葉を言い放つ。