ミュージック･ラブ２〜夜空の下のｽﾉｰﾄﾞﾛｯﾌﾟ〜

『ふざけんな!!』

黙って話を聞いていたハナが突然、立ち去ろうとする埼京に怒鳴った。

『何だと？』

埼京は振り返った。

『ユキネのママは、あなたが出てった後一人でユキネを育てた…働きすぎて体調を崩しがちで…でも、それでもユキネを一生懸命育てたんだよ。きっと一人で大変だったと思う。勝手に家を出て行ったあなたに、ユキネのママの教育が間違ってたなんて言う権利はない!!』

ハナは大声で怒鳴った。

埼京はただ黙って聞いていた。

『それにユキネがサイテーだって？あなたはユキネの何を知ってるのよ!!確かにユキネは不良グループとつるんでたし、悪い事も色々したかも知れないけど…でも本当のユキネは誰よりも優しくて、思いやりがあって、人の心の痛みが分かる人間だよ!!』

ハナは涙を零しながら叫んだ。

『ハナ…』

そんなハナの様子をユキネはじっと見ていた。