ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『言いたい事はそれだけか?』

埼京はそう言ってまた立ち去ろうとした。

『えっ?ちょっと待って…』

ハナは埼京を呼び止めようとした。

『ハナ…もういいよ…もういいから』

ユキネはそんなハナの手を掴んだ。

『でもユキネ…このままじゃ…』

ハナはユキネを見た。

ユキネは首を横に振った。

『でも、埼京さんはユキネの事を誤解したままだよ!!埼京さん行っちゃうよ!!』

『うん…良いんだ。あたしが言いたかった事はハナが全部言ってくれたし、ハナがあたしの事をわかってくれてるからそれだけで良いんだ』

ユキネは掴んでいたハナの手を放した。

『涙流してまであたしの代わりに、全部アイツに言いたい事言ってくれてありがとう、ハナ。何かスッキリしたよ』

ユキネはハナにニコッと笑いかけた。

『ユキネ…。うん、だってユキネは大切な友達だから』

ハナもニコッと笑った。
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