ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『これ着ろよ』

ハナがユキネの隣に座ると、ユキネは自分の着ているジャケットをハナに被せた。

『あ、ありがとう』

ハナは少し申し訳なさそうだった。

『ユキネ、病院は良いの?』

『…』

ハナの問いにもユキネは黙り込み、ただ夜の川をじっと見つめていた。

『…ユキネ!?』

ハナは黙っているユキネが心配だった。

『なあハナ…。もう1週間も経つのにさ、ママはいっこうに目を覚まさない…。もうこのまま目を覚まさないのかな?』

ユキネは寂しげに言った。

『えっ!?…えーと…うーんと…』

ハナは返事に困っていた。

『どんなに話し掛けても何も答えてくれない…手を握っても握り返してくれない…。まるで人形みたいでさ…そんなママを見てるのが凄く辛くて…もうママはダメなのかな?…ずっとこのままなのかな?』

ユキネの目には涙が込み上げて来ていた。

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