ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『孫は滋賀県を出て、東京でインテリアデザイナーという夢に向かって、必死に頑張ってたみたいなんじゃ』

お年寄りは楽しそうに孫の事を話していた。

『そうなんですか…じゃあ、もしかして今日はそのお孫さんに会いに?』

ユキネはお年寄りに尋ねた。

『そうなんじゃ。本当はもう少し早く会いに来たかったんじゃが、なんせ東京は年寄りには遠すぎての』

『そうか…お孫さん元気にしてると良いですね』

ユキネはそう言ってベンチから立ち上がり、お年寄りに笑いかけた。

お年寄りもユキネに優しく笑いかけた。

『じゃあおばあちゃん、元気でね。飴玉ありがとう』

ユキネは手を振り、立ち去った。

そしてお年寄りもベンチから立ち上がり、とある墓地へとやってきた。

お年寄りは一つのお墓の前で立ち止まって、そのお墓の前でしゃがみこみ、花を供え、目を閉じて両手を合わして拝んだ。
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