ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『東京は賑やかな街じゃの〜。こうやってまともに話すのは、お前が上京する18歳の頃以来じゃな…なんせ1番最後に見たお前の姿が18歳の時じゃったしな…』

お年寄りはお墓に向かって一人語りかけていた。

『孫のお前がこの老いぼれよりも先に行くなんて、神様は意地悪じゃの…。そっちで元気にやってるかい?風邪はひいとらんか?…のう、ケイゴよ』

お年寄りは雪が舞う空を見上げ優しく微笑んでいた。

お年寄りと別れたユキネは、家へと向かい路地裏を歩いていた。

『またパトカーか…今日は多いなー…』

ユキネは鳴りやまないパトカーのサイレンを耳にした。

『そりゃそうさ、だってあたしを血眼になって捜し回ってるからね』

突然ユキネの背後から聞き覚えのある声がした。

ユキネが背後を振り返ると、カンナが腕を組んで突っ立っていた。

『カンナ!!』

ユキネは驚いた。
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