ミュージック･ラブ２〜夜空の下のｽﾉｰﾄﾞﾛｯﾌﾟ〜

『ガンって…本当か？』

ユキネは信じれなかった。

『ふっ、嘘ついてどうすんだよ。お前が歌手になるって夢を追っかけてる姿がさ、凄く眩しくてさ…先が長くないあたしには、夢見ることも、追いかける事も出来ない。だから、そんな夢を見つけて、追っかけてるユキネに嫉妬してたんだ。だからお前にあんな事を…今更謝っても許されないのは分かってる…でも謝りたくて…ユキネ、悪かったな』

カンナはもう一度頭を下げた。

『カンナ頭を上げろよ』

ユキネのその言葉を聞いてカンナは頭を上げた。

『今更謝っても遅いよ!!』

そう言ってユキネはカンナの胸倉を掴み、カンナの顔を殴ろうとした。

しかしカンナの顔にこぶしが当たる寸前で、ユキネはこぶしを止めた。

『どうして殴らないユキネ…どうして？弱い者イジメが嫌いだからか？』

カンナはユキネに尋ねた。

『ちげーよ。ガンだって宣告されて、ガンと…死とちゃんと向き合ってるお前は強いよ』

ユキネはカンナの胸倉掴んでいた手を外した。