ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『泣いてねぇよ…コンタクトがズレただけだよ!!』

カンナは言い訳をした。

『視力両目とも2.0のお前が良く言うよ』

そう言ってユキネはカンナに微笑んだ。

『うるせいよ…あたしだって泣く時くらいあんだよ!!』

『そうだな…カンナは普段強がってるけど、実際は涙もろいもんな』

ユキネはそう言って、ティッシュでカンナの涙を拭った。

『本当に来てくれてありがとなカンナ』

『ユキネ…歌を歌ってる時のお前は、まるで1番星のように輝いてたぞ。そんなお前がスゲー羨ましい反面、夢を見れない自分がスゲー悔しかった…』

カンナは少し淋しげに笑ってた。

『カンナ…』

そんな淋しげに笑うカンナを見てユキネは呟いた。

『あたしもガンじゃなかったら、ユキネみたいに夢を見れたのにな…ユキネみたいに輝けたかも知れないのにな…』

カンナはそう言ってうつむいた。
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