ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『あたしさ…最初はどうせ人はいつか死ぬんだって思ってたけど、日がたつにつれて死ぬのが段々怖くなってきたんだ。昨日はあっても明日はなくてさ、明日が今になる事も約束されてない…。死ぬと分かってから時間が経つのが怖くて、時間が止まれば死ぬ事もないんだって思って、気付いたら部屋中の時計の電池を抜いて時計を止めてる自分がいたんだ…』

カンナの心は、死との恐怖と少ししか生きられないという悔しさで、いっぱいだった。

ユキネはそんなカンナをただじっと見ていた。

『あたしバカだよな!?…そんな事したって時間は止まらないのにさ…』

『カンナ…』

ユキネにはカンナの気持ちが痛いほど伝わっていた。

『ユキネ…あたし死ぬのがスゲー怖いんだ。死んだらどうなるのかな?みんなの記憶からあたしが消えてしまうのかな?…きっとみんな、すぐあたしの事忘れてしまうよな?』

カンナは震える唇を噛み締めた。
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