ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
ハナは黙り込んだままポケットから手を出さなかった。

『ポケットを見せろと言ってるだろ!!』

そう言って担任は、ポケットに突っ込んだままのハナの手を力強く引っ張り出した。

すると、ハナの手と一緒にポケットからタバコが出て来た。

『やっぱり隠し持ってたのか…』

担任はハナからタバコを取り上げた。

『知りません…あたしタバコ何か知りません』

ハナは必死で否定した。

『知らないって、お前のポケットに入ってただろ?とぼけるな!!』

担任は大声で怒鳴った。

『あ、もしかしてさっきキョウコとすれ違った時に…』

ハナは気付いた。

タバコは、廊下でキョウコとすれ違った時にキョウコがハナのポケットに、こっそりいれたものだった。

『ちょっと生徒指導室に来てもらおうか』

そう言って担任はハナの手を強引に引っ張った。

『違います…あたしじゃありません…』

ハナは泣きべそをかきながら言った。
< 172 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop