ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『あの日はな…実はあの日道端で倒れているユキネの母親を見つけて、病院に運んだのは俺って言ったが…見つけたのは確かに俺なんだが、たまたまその時埼京が通りかかって、渋滞して遅れていた救急車を待つ間もなく、埼京はユキネの母親を背負って病院まで走ったんだよ』

シュンはあの日の真実を話した。

『嘘…』

ユキネは信じられないでいた。

『お前が来る直前までユキネの母親の手を握りしめて、心配していたよ』

『だったら、どうしてあたしと会った時にあんな事を…』

『バカだな。埼京はユキネの父親だろ?』

『だから何だよ?』

『つまり、ユキネが素直じゃないように埼京も素直じゃないんだよ。…ったく、親子揃って素直じゃないんだからよ』

シュンは笑って言った。

『アイツ…』

ユキネは埼京の本心がわかり少し嬉しかった。

『ほら、シュン。朝食出来たわよ』

二人の話に里菜が割って入った。
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