ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『さあ、そろそろ開演だな』

シュンは楽屋の椅子から立ち上がった。

『そうだな…』

ユキネも緊張を胸に椅子から立ち上がった。

『よし、ユキネ行くか』

シュンはそう言って楽屋のドアを開けようとした。

『オッサン!!…ありがとう。オッサンに出会わなければ、ずっとあたしは夢を見ることはなかった。あたしに夢をくれて、ありがとう』

ユキネは背を向けるシュンにお礼を言った。

するとシュンは振り向きユキネに歩みより、ユキネのおでこにそっと手を当てた。

『な、何だよ…!?』

ユキネは少し戸惑っていた。

『う〜ん…熱はないみたいだな』

『はあ?』

『いや、お前がお礼を言うなんて珍しいから、熱でもあるんじゃないかって思ってさ』

シュンは笑って言った。

『はあ?なんだよそれ、ふざけんな!!』

ユキネは少し怒り気味に楽屋を出て行った。
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