ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
里菜は椅子から立ち、キッチンでふきんを濡らした。

『プロデュースしてやりたい奴?一体誰よ?』

里菜はテーブルを拭きながら尋ねた。

『ユキネって言う女子高生なんだけどよ、ソイツの歌声に惚れちまったんだ』

シュンはハットを被り直した。

『シュンが認めるくらいだから…きっと本当に凄い歌声なんでしょうね』

『ああ、まだまだトレーニング不足の声だが、良い歌声だよ』

『へぇ〜、その子ってどんな子なの?』

『ユキネは高校中退するわ、恐喝するわ、未成年で喫煙するわ…めちゃくちゃな奴だよ』

シュンは笑いながら言った。

『ねぇ、あたしもそのユキネって子の歌声を聴きたいわ』

里菜はコップを洗いながら言った。

『おっ!!聴きたいのか?ならユキネを呼んでやるよ』

そう言ってシュンはユキネに電話をかけた。

『早く電話に出ろよな〜ユキネの奴』

シュンの携帯はユキネを呼び出していた。
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