ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『ユキネ!?ユキネだと…』

埼京はハナの言葉を聞いて驚いた。

『あいつがユキネ…』

埼京は去って行くユキネの後ろ姿を見つめた。

『先生?どうかしたんですか?』

黒いスーツを着た男は埼京に尋ねた。

『いや…何でもない。行くぞ』

『ハイっ!!』

そう言って黒いスーツを着た男はリムジンのドアを開け、埼京が乗り込んでから自分も乗り込み車を走らせた。

『ねぇ、ユキネってば…何をそんなに急いでるの?』

ハナは早歩きで前を歩くユキネに尋ねた。

『…』

ユキネはただ黙っていた。

『ユキネ!!』

ハナは大声で呼んだ。

『うるさい!!』

ユキネは立ち止まり、ハナに怒鳴った。

『…ごめん』

ハナはユキネに怒鳴られて悲しげにうつむいた。

『…』

ユキネはそんなハナの姿を黙ってじっと見つめていた。
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