ミュージック・ラブ2〜夜空の下のスノードロップ〜
『シュンだって変わらないなじゃない。ねぇ、何か飲む?』

里菜はメニューをシュンに見せた。

『う〜んとな、ビールくれ』

『オッケー。あたしが愛情たっぷり込めて注ぐから、すぐに酔うわよ』

里菜はそう言って、笑いながらビールをつぎシュンに出した。

『お前の愛情なんか…いらねぇ〜』

シュンは笑いながらビールを飲んだ。

『シュン。今ルナティック・ゼロは世界中ですごい人気よね』

『そりゃーな、だって俺がギター弾いてるんだぜ。人気あって当然さ』

『相変わらずデカイ口叩くわね、シュン』

『ハハハ。なあ、里菜はもう音楽やらないのか?』

『たまに趣味程度でピアノ弾いたりもするけど、もう本格的にはやらないわ。あたしはフレンズで全てを出し切ったから、もう十分だわ』

里菜はニコッと微笑んだ。

『そっか…今の里菜には音楽よりも、友達と一緒に経営してるこの喫茶店のが大切だもんな』

シュンはそう言って、黒いハットを被り直し椅子から立ち上がった。

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