ミュージック･ラブ２〜夜空の下のｽﾉｰﾄﾞﾛｯﾌﾟ〜

『おいっ、折れてるって…笑って言うことじゃないだろ!!大丈夫かよ?あたしをかばったせいで…』

ユキネはシュンを心配した。

『ああ…骨は折れてもまた治る。だから気にするな』

シュンは笑顔で言った。

『オッサン…何で…何で来たんだよ？』

ユキネは仰向けのまま空を見つめながら尋ねた。

『俺はお前のプロデューサーだ。世界でたった一人のユキネのプロデューサーだ。プロデューサーがアーティストと苦労を共にするのは当然だからな…俺はお前と一緒に同じ苦しみを…同じ痛みを受ける事を選んだ。だからこうしてほら、二人一緒だったから痛みを…苦しみを乗り越えられただろ？』

シュンも空を見つめながら言った。

『オッサン…』

ユキネの目には涙が浮かんだ。

『オッサン…あたし約束守ったよ。殴られても絶対に手を出さなかったよ…』

ユキネは涙を腕でゴシゴシ拭った。

『ああ、わかってる。だから俺もアイツらに手を出さなかった。約束守ってくれてありがとうな、ユキネ』

シュンは笑顔でそう言って、ふらつきながら立ち上がった。