KISSKISS


「…悠斗はね?」


テーブルに頬杖をついてシェイラさんが話始めた。


「こんな所で才能を潰すにはもったいないピアノの腕を持ってる…悠斗が引退を決めた時に何人のプロデューサーが引き止めたか…ねぇ?」


「いちいち言うなよ…コイツには関係ねぇだろ」


関係ないって…そんな言い方しなくてもいいんじゃないの?


「歩花…」


「…何」


「部屋に戻ってろ」


落ち着いた低い声であたしを促す…


その言葉に反撃する事なく部屋に戻った。

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