KISSKISS


悠斗さんの顔が曇ったのが分かった。


「本気で言ってんのか?」

「…本気だよ、何であんたに嘘つかなきゃいけないの?」


あたしの中にあるはずのない臓器がズキズキ痛む。


―…嘘だよ、ホントはあんたと一緒に居たいんだよ。

でもね…この気持ちを伝えて壊してしまうにはもったいなさ過ぎる…


あんたのピアノの腕も…
この生活も…


だから、あたしを一人で暮らしていた生活に戻して…


―…大好きだよ


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