KISSKISS
「嘘つきだよ…」
「嘘つきだしワガママだし泣き虫だし…貧相だし…」
悠斗さんの声が耳のすぐそばで聞こえてドキドキする。
「貧相は…関係ないじゃん…ていうか離してよ」
心拍数がヤバいよ…
このまま、死んじゃったらどうしよう…
「離していいの?」
何でそんな試すような言い方すんの…
「離して!!!!」
「じゃあ…最後に一つ…正直に言うとシェイラの誘いは嬉しかったよ…でも…弾かないんじゃない。ピアノは弾けないんだ」
腕の中で聞いた悠斗さんの声は寂しそうだった。