KISSKISS
車で二十分程、走った所にあるラーメン屋に着いた。
有無を言わさず車から降りてさっさと色褪せた暖簾をくぐって店に入ってしまった。
カウンターしかない狭い店にお客さんが詰めるように座っている。
「味噌ラーメンがうまいぞ?」
よく来ているのかメニューなんか見ないで薦めて来る。
「じゃあ、それにする」
「オヤジ!!味噌とトンコツ一つずつ!!!」
奥で汗だくになりながら麺を茹でる店員に声をかけた。
「味噌が美味しいんじゃないの!!??」
「ん?…うまいよ」
じゃあ、何であんたは味噌じゃなくてトンコツなんですか!!??