KISSKISS


―…次の日


「おはよ」


珍しくアイツが直接、起こしに来た。


「あ…おはよ…調子は?」

寝ぼけながら回らない舌で聞いた。


「もう治った!あれだなぁ…やっぱりバカは風邪ひかないって本当だったんだなー…」


―…治った途端にそれか。

いたずらっ子のように笑う元気な姿にあたしも笑った。


「お、ひこうき雲」


カーテンを開けながら見えた空には昨日よりも長いひこうき雲。


「ホントだ…」


青い空に浮かぶ一筋の雲を一緒に見つめていた。


< 144 / 170 >

この作品をシェア

pagetop