KISSKISS
―…次の日
「おはよ」
珍しくアイツが直接、起こしに来た。
「あ…おはよ…調子は?」
寝ぼけながら回らない舌で聞いた。
「もう治った!あれだなぁ…やっぱりバカは風邪ひかないって本当だったんだなー…」
―…治った途端にそれか。
いたずらっ子のように笑う元気な姿にあたしも笑った。
「お、ひこうき雲」
カーテンを開けながら見えた空には昨日よりも長いひこうき雲。
「ホントだ…」
青い空に浮かぶ一筋の雲を一緒に見つめていた。